敗血症に対する精密免疫療法のコンセプトを実証:ImmunoSep試験
Precision Immunotherapy to Improve Sepsis Outcomes: The ImmunoSep Randomized Clinical Trial
背景
敗血症に対する免疫調整薬の使用は多くのランダム化臨床試験で検討されてきたが、これまで明確なアウトカム改善は示されていない。その原因の一つは、敗血症にみられる免疫応答が異質性の高いプロセスであり、炎症優位なものと抑制優位なものとが混在している点にあるとされる。
ギリシアNational and Kapodistrian University of AthensのGiamarellos-Bourboulisら(ImmunoSep)は、ヨーロッパ6ヵ国33施設の敗血症(Sepsis-3に基づく)患者を、標準治療、またはフェリチン/単球ヒト白血球抗原DR(mHLA-DR)をバイオマーカーに用いた精密免疫療法へと割り付け、9日目までにSOFAスコアが1.4以上低下した患者の割合を比較する第2b相RCTを実施した(n=281)。
精密免疫療法群の患者では、フェリチン濃度の高いマクロファージ活性化様症候群(macrophage activation-like syndrome)に対してIL-1阻害薬anakinra静注が、mHLA-DR発現が低下した敗血症誘発性免疫抑制に対しては組換えヒトインターフェロン-γ皮下注が、ダブルダミーで行われた。
結論
SOFAスコアの減少は、精密免疫療法群の35.1%、プラセボ群の17.9%で達成された。
28日死亡率は精密免疫療法群で43.5%、プラセボ群で49.7%であったが、統計的有意差には至らなかった。重篤な治療下発現有害事象は計1,069件、88.8%で報告され、anakinra群では貧血、組換えヒトインターフェロン-γ群では出血の増加が認められた。
評価
免疫の方向に応じた免疫療法は、9日目までのSOFAスコアを有意に改善した。
敗血症のサブフェノタイプをクラスタリングしてきた過去の研究が、精密医療として身を結んだかたちだが、本試験はあくまで概念実証研究であり、第3相での検証が重要となる。


