糖尿病のない末梢動脈疾患(PAD)患者へのメトホルミンは無益:PERMET試験
Metformin to Improve Walking Performance in Lower Extremity Peripheral Artery Disease: The PERMET Randomized Clinical Trial
背景
メトホルミンは、糖尿病(DM)のない末梢動脈疾患(PAD)患者の歩行機能を改善するか。
アメリカNorthwestern UniversityのMcDermottら(PERMET)は、202名の患者を対象にこれを検証するRCTを行った(対照:プラセボ)。
一次アウトカムは、6ヵ月間の6分間歩行距離の変化であった。
結論
メトホルミンの一次アウトカム効果を認めなかった。二次アウトカム(トレッドミル最大歩行時間・痛みのないトレッドミル歩行時間・歩行障害質問票[WIQ]距離および速度スコア・SF-36身体機能スコア、上腕動脈FMD[flow-mediated dilation])にも有意な改善はみられなかった。
評価
メトホルミンの多面効果が広く認知される中で、前臨床研究・観察研究の基礎もあり、企画されたリポジショニング試験だったが失敗した。特に、メトホルミン群では胃の不調など、非重篤な有害事象がプラセボ群より多く、非DM患者への使用を支持しない。PADの薬物療法は、不十分なままに留まっている。


