ECMO患者でのカルシウム感受性増強薬Levosimendanは効果なし:LEVOECMO試験
Levosimendan to Facilitate Weaning From ECMO in Patients With Severe Cardiogenic Shock: The LEVOECMO Randomized Clinical Trial
背景
Levosimendanは、トロポニンCに結合しカルシウム感受性を高めることで細胞内のカルシウム濃度をほとんど変えずに心筋陽性変力を高め、さらにATP感受性カリウムチャネルを開口させることで血管拡張をもたらす強心薬である。これまで行われた急性非代償性心不全、心臓手術の周術期、敗血症性ショックなどでのRCTは、いずれもハードアウトカム効果を示せなかったものの、最近になってVA-ECMO患者でのECMO離脱率を高めるという報告があり、検証が求められていた。
フランスSorbonne UniversitéのCombesらは、同国11の集中治療室で、48時間以内にVA-ECMOが開始された急性心原性ショック患者に対し、levosimendanまたはプラセボを割り付け、30日以内のECMO離脱率を比較するRCT、LEVOECMO試験を実施した(n=205)。
結論
心原性ショックの原因は、開心術後症候群(38.5%)、急性心筋梗塞(27.3%)、心筋炎(13.7%)などであった。
30日ECMO離脱成功率は、levosimendan群で68.3%、プラセボ群で68.3%と差がなかった(部分分布ハザード比 1.02)。ECMO離脱までの期間(中央値, 5日 vs. 6日)、ICU滞在日数(18日 vs. 19日)、60日死亡率(27.7% vs. 25.0%)にも差はなかった。心室不整脈はlevosimendan群で増加した(17.8% vs. 8.7%)。
評価
すでに長い検証の歴史を持つ薬であり、この試験でも先行する試験と同様、一次エンドポイントには差がなく有害事象は増加する、という結果となった。
同テーマで行われていたWEANILEVO試験は資金的事情で中途終了しているが(NCT04158674)、非ECMO心原性ショック患者を対象としたLevoHeartShock試験は現在も進行中である(NCT04020263)。


