HeFHに新規経口PCSK9阻害薬enlicitide decanoate登場：CORALreef HeFH試験

Efficacy and Safety of Oral PCSK9 Inhibitor Enlicitide in Adults With Heterozygous Familial Hypercholesterolemia: A Randomized Clinical Trial

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背景

Enlicitide decanoate（MK-0616）は、新規経口PCSK9阻害薬である。
アメリカTexas Heart InstituteのBallantyneら（CORALreef HeFH）は、ASCVD既往または高リスクで中／高強度のスタチンを含む脂質低下薬治療中の安定したヘテロ接合性家族性高コレステロール血症（HeFH）成人患者303名を対象として、同薬の有効性・安全性を検証する第3相RCTを行った（対照：プラセボ）。
一次アウトカムは、24週時のLDL-Cレベルのベースラインからの変化量であった。

結論

Enlicitideの一次アウトカム効果を認めた：プラセボ比59.4％低下。その他の脂質パラメータ（ApoB・non-HDL-C・Lp(a)）も有意に改善した。重篤有害事象に群間差はなかった。

評価

Merck開発による初めての経口（非抗体）PCSK9阻害薬である。CORALreef HeFHより広範な患者群を対象にした第3相CORALreef Lipidsでも治療効果の規模と安全性プロファイルは同等であった（https://www.msd.co.jp/news/chq-20251126_1/）。
ファーストインクラス経口薬で、画期的である。FDA承認は確実とみられ、競合薬の開発競争が激化している。