エボロクマブの適応を一次予防に拡張：VESALIUS-CV試験

Evolocumab in Patients without a Previous Myocardial Infarction or Stroke

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背景

PCSK9阻害薬エボロクマブは心筋梗塞（MI）・脳卒中・症候性末梢動脈疾患の既往歴のある高リスク患者の二次予防に有効だが、MI・脳卒中未発症の患者における効果は。
アメリカBrigham and Women’s HospitalのBohulaらは、動脈硬化または糖尿病（DM）を有し、MI・脳卒中の既往歴がなく、LDL-C値が90mg／dL以上の参加者12,257名を対象に、エボロクマブのMACE（一次エンドポイント）リスクに対する効果を検証するDBRCTを行った（対照：プラセボ）。

結論

追跡期間中央値4.6年で、エボロクマブの一次エンドポイント効果を認めた［3点MACE（心血管死・MI・虚血性脳卒中）リスクは25%、4点MACE（3点＋虚血による血行再建術）リスクも19%低下した］。安全性イベントに群間差はなかった。

評価

心血管疾患二次予防またはFHに限定されていた同薬の適応を一次予防に拡張する、重要かつ必須の試験で、成功した。FDAによる拡張承認は確実とみられる。ただし、試験参加患者の93%は白人であった。