心房細動再発予防にコーヒー摂取?:DECAF試験
Caffeinated Coffee Consumption or Abstinence to Reduce Atrial Fibrillation: The DECAF Randomized Clinical Trial

カテゴリー
循環器、Top Journal
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
November 2025
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開始ページ
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背景

カフェイン入りコーヒーは、これまで催不整脈性であると考えられてきたが、議論も多い。
アメリカUniversity of CaliforniaのMarcusら(DECAF)は、電気的除細動を受けた持続性心房細動(AF)患者200名を対象に、平均1杯/日のカフェイン入りコーヒーの摂取がAFの再発に及ぼす影響を、RCTにより検証した。対照群の参加者は、カフェイン入りコーヒー、カフェインレスコーヒー、およびその他のカフェイン含有製品を完全に断つことが推奨された。
一次アウトカムは、6ヵ月以内の臨床的に確認されたAFまたは30秒以上持続するAFの再発であった。

結論

カフェイン入りコーヒー摂取群は、非摂取群と比較して、一次アウトカム発生率が有意に低く(47% vs. 64%)、再発リスクは39%低下した。有害事象に差はなかった。

評価

カフェインとAFの関連に関しては研究も多く、メタアナリシスもあるが(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35912715/)、近年の傾向は「多量でない場合は問題ない」という方向にある。ここでの結果は、除細動患者はコーヒー摂取を控えるという従来の指導方針が、臨床的利益を伴わない可能性があることを示唆し、重要である。今後、「一日一杯(デカフェをふくむ)なら、むしろ有益」という指導方針に変えるべきことを示唆するが、本試験は盲検化されておらず、サンプルサイズも限定的である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)