アテローム性動脈硬化症は中年期から多領域で無症状に短期間で進行する
Short-Term Progression of Multiterritorial Subclinical Atherosclerosis

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
April 2020
75
開始ページ
1617

背景

アテローム性動脈硬化症(AthSc)は無症状で進行する。スペインCNICのLopez-Melgarら(PESA)は、3,514名の中年無症状者を対象として、2D・3DVUSおよびCACS指標を用いて多動脈領域における無症状AthScの進行を検討した。

結論

3年間のフォローアップで、参加者の41.5%(2DVUS 26.4%、3DVUS 21.3%、CACS 11.5%)にAthScの進行を認めた。新規発症がその3分の1を占め、CACSより2D・3DVUSでの検出が高頻度であった。ベースライン疾患のある参加者でも、有意なAthSc進行を確認した。年齢・性別・脂質異常症・高血圧・喫煙・家族歴がリスク因子であり、脂質異常症が最も強い修正可能因子だった。疾患進行は心血管リスクと相関していたが、低リスクの参加者でも36.5%に進行が検出された。

評価

AthScは中年期に入る前から無症状で進行する、という主流見解を支持する結果である。同一研究からは、C5活性化が早期進行の最良指標である、という注目すべき所見も報告されている(https://www.onlinejacc.org/content/75/16/1926)。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)