不安の強い低リスク胸痛患者では他の心理症状も多くみられる
Psychological Comorbidity in Patients Presenting to the Emergency Department With Low-Risk Chest Pain and Anxiety
背景
胸痛は救急外来で最も一般的な主訴の一つであるが、その大半は非心原性、あるいは低リスクな胸痛である。先行研究によれば、心血管疾患歴がない低リスク胸痛患者では、しばしばパニック障害や不安障害が認められる。
アメリカIndiana University School of MedicineのDangらは、胸痛により救急を受診し、心臓有害事象のリスクが低く(HEART<7)、中等度の不安症状(GAD-7不安スコア≧8)またはパニック障害のスクリーニングスコア(PHQ)で陽性となった患者(n=375)を対象としたPACER studyのベースラインにおいて、併存する他の心理疾患および臨床因子の有病率を調査した。
結論
患者の年齢は平均39.9歳、70.9%が女性で、62.9%が白人、32.6%が黒人であった。75%がパニック障害スコアで陽性を示し、42%は重度の不安(GAD-7≧15)を有した。
併存する不安以外の心理疾患の有病率は非常に高く、58%が抑うつ、57%が心的外傷後ストレス障害、52%が身体症状症、59%が機能障害、31%が自己効力感の低下を示した。
多変量モデルにおいて、重度の不安と独立に関連した患者特性は、抑うつ(オッズ比 2.7)、低い自己効力感(2.3)、教育レベルの低さ(2.1)、女性(1.8)であった。
評価
不安を呈する低リスク胸痛患者では、他の心理疾患が併存することが一般的であり、心臓検査を過剰に行うよりは、メンタル・スクリーニングの方が有益かもしれない。
本試験では、この患者集団における認知行動介入が検証されており、その結果も重要となる。


