T2Dリスク減のためには「上質の」低炭水化物食を
Low-Carbohydrate Diets of Varying Macronutrient Quality and Risk of Type 2 Diabetes in Three U.S. Prospective Cohort Studies
背景
低炭水化物食(LCD)と2型糖尿病(T2D)リスクリスクとの関連は、三大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)の質によってどう異なるか。
アメリカHarvard T.H. Chan School of Public HealthのSunらは、米国の大規模コホート研究(NHS・NHSII・HPFS)におけるベースラインでT2D・心血管疾患(CVD)・がんの既往歴のない約20万人を最大30年間追跡し、5つのLCDスコアとT2D発症リスクとの関連を前向検証した。
一次アウトカムは、T2Dの発症であった。
結論
4,987,761人年の追跡調査期間中、20,452のT2D症例が記録された。
全般的LCDスコアが高いほどT2Dリスクは31%上昇し、特に動物性たんぱく質・脂質を重視した動物性LCDや、精製度の高い炭水化物を制限しない不健康なLCDはT2Dリスクを最大44%増加させた。対照的に、植物性たんぱく質・脂質を重視したLCDはリスクを6%低下させ、さらに精製炭水化物を避けた健康的LCDはリスクを16%低下させた。
評価
ダイエット一般における「量より質」というメッセージは常識的だが、20万人・30年間という追跡は画期的で、また「全般的LCDはT2Dリスクを増し(HR 1.31)、健康的LCDはリスクを下げる(0.84)」という結論の簡明な定量性は高インパクトである。全般的LCDがT2Dリスクを上昇させるという結果は、動物性食品や低質脂質・たんぱく質を多く含むLCDの有害性を示す。T2Dの一次予防のためには、植物性たんぱく質・健康的脂質・上質炭水化物の優先的摂取が必要である。


