閉塞性肥大型心筋症の第一選択薬はaficamten？：MAPLE-HCM試験
Aficamten or Metoprolol Monotherapy for Obstructive Hypertrophic Cardiomyopathy
背景
症候性閉塞性肥大型心筋症（HCM）の初期治療において、心筋ミオシン阻害薬aficamten単剤療法はβ遮断薬に優るか。
スペインHospital Universitario Puerta de Hierro MajadahondaのGarcia-Paviaら（MAPLE-HCM）は、症候性閉塞性HCM患者175名をaficamten＋プラセボ投与群と、メトプロロール＋プラセボ投与群に割り付け、24週時点での最高酸素摂取量（peak oxygen uptake）の変化（一次アウトカム）を比較した。
結論
Aficamtenのメトプロロールに対する一次アウトカム優位を認めた［1.1 ml／kg／分増 vs. 1.2 ml／kg／分減］。Aficamten群はメトプロロール群と比較して、NNYHA分類、KCCQ-CSSスコア、左室流出路圧較差、NT-proBNPレベル、左房容積係数（二次アウトカム）においても、有意な改善を示した。有害事象発生率は両群同程度であった。
評価
Cytokineticsがスポンサーした、oHCMにおけるミオシン阻害薬とβ遮断薬の初めての直接対決試験である。説得的にaficamtenの優位を示して、oHCMにおいて同薬が第一選択薬として位置づけられるべきことを主張する、ゲームチェンジャーとなりうる知見である。限界は、治療期間が24週間と短いこと、メトプロロール以外のβ遮断薬では効果が異なる可能性が排除できないこと、である。
