ワルファリン処方中の高齢頭部外傷患者でのINR高値は脳内出血リスクではない
Supratherapeutic warfarin and risk of intracranial hemorrhage in geriatric patients with blunt head trauma
背景
頭部外傷患者では、受傷以前のワルファリンの服用が頭蓋内出血リスクを高める可能性があり、国際標準化比(INR)の高い患者では検査やモニタリングの強化が推奨されることが多い。
アメリカMiller School of MedicineのCaplanらは、2019年8月からの1年間に、フロリダ州の2ヵ所の救急外来を受診した高齢頭部外傷患者を対象とした前向多施設共同研究の二次解析を実施し、(高所転落でない)転倒を経験し、ワルファリン服用またはワルファリンも他の抗凝固薬・抗血小板薬(ACAP)も服用していない患者における治療域を超えるINR(supratherapeutic INR)と頭蓋内出血リスクの関連を評価した。
結論
5,776名の患者のうち、ACAP服用患者でない2,686名が解析の対象となった。うちワルファリン服用者は263名であった。
頭蓋内出血はACAP非服用患者で6%、ワルファリン服用患者で7%に発生した。INRが3.0を超える場合と3.0未満の場合で、頭蓋内出血の発生率は同程度であった。
評価
一般的な考えに反し、ワルファリン服用中の転倒患者におけるsupratherapeutic INRは、頭蓋内出血リスクを高めなかった。
INRに依存した意思決定を避け、より総合的な判断を促すデータと言える。


