セマグルチドは経口25 mgでよい:OASIS 4試験
Oral Semaglutide at a Dose of 25 mg in Adults with Overweight or Obesity
背景
25 mgの経口セマグルチドは、過体重または肥満成人に対して、注射製剤(2.4 mg)および高用量経口製剤(50 mg)の代替オプションとなり得るか。
カナダWharton Weight Management ClinicのWhartonら(OASIS 4)は、4ヵ国22施設において、糖尿病のない過体重/肥満成人307名を対象に、生活習慣介入への25 mg経口セマグルチド追加の有効性・安全性を評価する71週間のRCTを行った(対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、64週時点での体重の変化率および体重の5%以上減であった。
結論
25 mg経口セマグルチドの一次エンドポイント効果を認めた[64週時点での体重の推定平均変化率は、経口セマグルチド群で−13.6%、プラセボ群で−2.2%;体重5%以上減を達成した参加者の割合は、経口セマグルチド群で79.2%、プラセボ群で31.1%であった]。身体機能の改善(IWQOL-Lite-CTスコア)も経口セマグルチド群で有意に認められた。胃腸系有害事象は、経口セマグルチド群でプラセボ群より多かった(74.0% vs. 42.2%)。
評価
Novo Nordiskによる経口セマグルチドの用量・用法最適化試験で、25 mg剤が注射製剤・高用量経口製剤とほぼ同等の便益をもたらすことを示した。すでにリアルワールド観察試験で示されている、「14 mg用量でもばらつきはあるが、一応有効」という結果(https://doi.org/10.3389/fendo.2025.1593334)とも符合する。特に、悪心発現期間の中央値が13日間と、先行試験(OASIS 1、20日間)より短かったことが、忍容性の観点から重要である。他の肥満薬との直接比較試験に注目が集まる。