セマグルチドは経口25 mgでよい:OASIS 4試験
Oral Semaglutide at a Dose of 25 mg in Adults with Overweight or Obesity

カテゴリー
生活習慣病、Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
September 2025
393
開始ページ
1077

背景

25 mgの経口セマグルチドは、過体重または肥満成人に対して、注射製剤(2.4 mg)および高用量経口製剤(50 mg)の代替オプションとなり得るか。
カナダWharton Weight Management ClinicのWhartonら(OASIS 4)は、4ヵ国22施設において、糖尿病のない過体重/肥満成人307名を対象に、生活習慣介入への25 mg経口セマグルチド追加の有効性・安全性を評価する71週間のRCTを行った(対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、64週時点での体重の変化率および体重の5%以上減であった。

結論

25 mg経口セマグルチドの一次エンドポイント効果を認めた[64週時点での体重の推定平均変化率は、経口セマグルチド群で−13.6%、プラセボ群で−2.2%;体重5%以上減を達成した参加者の割合は、経口セマグルチド群で79.2%、プラセボ群で31.1%であった]。身体機能の改善(IWQOL-Lite-CTスコア)も経口セマグルチド群で有意に認められた。胃腸系有害事象は、経口セマグルチド群でプラセボ群より多かった(74.0% vs. 42.2%)。

評価

Novo Nordiskによる経口セマグルチドの用量・用法最適化試験で、25 mg剤が注射製剤・高用量経口製剤とほぼ同等の便益をもたらすことを示した。すでにリアルワールド観察試験で示されている、「14 mg用量でもばらつきはあるが、一応有効」という結果(https://doi.org/10.3389/fendo.2025.1593334)とも符合する。特に、悪心発現期間の中央値が13日間と、先行試験(OASIS 1、20日間)より短かったことが、忍容性の観点から重要である。他の肥満薬との直接比較試験に注目が集まる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)