高リスク有棘細胞がんでの術後セミプリマブは再発リスクを大幅減:C-POST試験
Adjuvant Cemiplimab or Placebo in High-Risk Cutaneous Squamous-Cell Carcinoma
背景
皮膚有棘細胞がん(cutaneous squamous cell carcinoma)は外科的手術によって大半が治癒するが、一部の高リスク患者では手術や術後放射線治療にもかかわらず再発が生じる。PD-1ヒトモノクローナル抗体セミプリマブは、進行した有棘細胞がんにおいて有効性を示している。
オーストラリアPeter MacCallum Cancer CentreのRischinら(C-POST)は、再発リスクの高い局所・領域有棘細胞がん患者に対して、外科的切除後または術後放射線治療後の補助療法としてセミプリマブ、またはプラセボを割り付け、無病生存率を比較する第3相RCTを実施した(n=415)。
結論
24ヵ月無病生存率は、セミプリマブ群で87.1%、プラセボ群で64.1%と有意に改善した(ハザード比 0.32)。
セミプリマブは局所領域再発(ハザード比 0.20)、遠隔再発(0.35)のリスクを低下させた。
グレード3以上の有害事象はセミプリマブ群の23.9%、プラセボ群の14.2%で発生し、有害事象による治療中止はそれぞれ9.8%、1.5%で発生した。
評価
日本も参加する第3相試験で、再発リスクの高い有棘細胞がん患者において、術後セミプリマブ療法がDFSを有意に延長することを示した。
皮膚有棘細胞がんに対するセミプリマブでは術前補助療法としての使用も検討されており(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2209813)、第3相NRG-HN014試験が実施しされている(NCT06568172)。


