慢性冠症候群患者への経口抗凝固薬とアスピリンの併用は有害:AQUATIC試験
Aspirin in Patients with Chronic Coronary Syndrome Receiving Oral Anticoagulation
背景
慢性冠症候群でアテローム血栓症高リスク患者が長期にわたり経口抗凝固薬を服用している場合、アスピリンを併用すべきかどうかには議論があった。
フランスInstitut Coeur PoumonのLemesleらは、過去にステント留置術を受け、アテローム血栓症リスクが高い慢性冠症候群患者872名を、アスピリンまたはプラセボ追加に割り付けるRCTを行った。
一次有効性アウトカムは、心血管死・心筋梗塞・脳卒中・全身性塞栓症・冠動脈血行再建術・急性四肢虚血の複合、安全性アウトカムは大出血であった。
結論
アスピリン追加群で全死因死亡が過剰に認められたため、中央値2.2年の追跡で試験は早期終結された。
一次有効性アウトカムイベントは、アスピリン群16.9%、プラセボ群12.1%に発生した(aHR 1.53)。全死因死亡は、アスピリン群13.4%、プラセボ群で8.4%に発生した(1.72)。大出血は、アスピリン群10.2%、プラセボ群3.4%に認められた(3.35)。重篤有害事象は、アスピリン群で467件、プラセボ群で395件報告された。
評価
重要なテーマで、特に安定冠動脈疾患のAF患者に関しては、最新のメタアナリシスが抗血小板薬の不要を結論している(https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacc.2024.12.030)。本研究は、特定の高リスク患者集団において、経口抗凝固薬にアスピリンを追加する戦略が有害であることを明確に示し、この結論を補強した。
アスピリン追加群で全死因死亡が有意に増加して試験の早期終結に至ったことは、衝撃的である。アテローム血栓症高リスク患者でも、アスピリンを追加するメリットはない。


