腸内微生物産生TMAOを冠性心疾患リスク指標として確定
Long-Term Changes in Gut Microbial Metabolite Trimethylamine N-Oxide and Coronary Heart Disease Risk
背景
腸内微生物代謝産物トリメチルアミンN-オキシド(TMAO)と冠性心疾患(CHD)との関連は、確認段階に達している。Tulane UniversityのYoriko Heianzaらは、760名の健康女性を対象として、血漿TMAOレベルとCHD発生との関連を検討する前向コホート内ケース・コントロール研究を行った。
結論
ベースラインTMAOレベルと無関係に、観察初期10年間におけるTMAO増加はCHDのリスク増と有意に関連していた(1SD増あたりのRR:1.33)。ベースライン・最終両時点でのTMAOレベル最高分位者の最低分位者に対するCHDリスク比は、RR:1.79であった。このようなΔTMAOとCHDの関係は、不健康な食事パターンによって強められ、健康的な食事パターンによって弱められた(p相互作用=0.008)。
評価
この関連を確実なものにするデータであり、TMAOをユニークなCHD指標として確立した。食事介入によるTMAO低減効果の臨床試験を支持するだけでなく、すでに行われているTMAO生成細菌酵素の阻害薬探索も後押しする。