肥満治療にセマグルチドとcagrilintideの2剤固定用量配合剤CagriSema登場:REDEFINE 1試験
Coadministered Cagrilintide and Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity

カテゴリー
生活習慣病、Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
June 2025
393
開始ページ
635

背景

CagriSemaは、セマグルチドとcagrilintide(アミリンアナログ)の2剤固定用量配合剤(CagriSema)である。
アメリカUniversity of AlabamaのGarveyら(REDEFINE 1)は、合併症を伴う過体重または肥満成人3,417名をCagriSema群、セマグルチド単独群、cagrilintide単独群、プラセボ群に割り付け、68週間の第3a相多施設二重盲検プラセボ対照・実薬対照試験を行った。全群に生活習慣介入を行った。
一次エンドポイントは、ベースラインから68週までの体重の相対変化率と5%以上の減少の複合とした。

結論

CagriSemaの一次エンドポイント効果を認めた[CagriSema群は、プラセボ群と比較して有意かつ臨床的に大きな体重減少を達成した]。68週までの平均体重減少率はー20.4% vs. ー3.0%であった。CagriSema群は、体重を5%以上、20%以上、25%以上、30%以上減少させる目標を達成する参加者の割合も、プラセボ群より有意に高かった。消化器系有害事象の報告頻度がCagriSema群で高かったが(79.6% vs. 39.9%)、大部分は一過性で、軽〜中等度であった。

評価

Novo Nordiskの新製剤である。セマグルチド単剤では最大17.4%の、またcagrilintide単剤では10%の体重減少であり、CagriSemaはそれらを上回る20.4%という体重減少を達成した。これは、既存のどの肥満治療薬や非外科的介入と比較しても最も高いレベルである。サブグループ解析では、体重減の67%が脂肪量の減少、33%が除脂肪軟部組織の減少によるものであることが示された。降圧効果・血糖値低減効果も認められた。延長試験でより長期的な転帰が評価されているが、承認は確実とみられる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)