人工呼吸小児の鎮静で吸入麻酔薬はオルタナティブになりうる?:IsoCOMFORT試験
Inhaled isoflurane for sedation of mechanically ventilated children in intensive care (IsoCOMFORT): a multicentre, randomised, active-control, assessor-masked, non-inferiority phase 3 trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Lancet Respiratory Medicine
年月
July 2025
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開始ページ
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背景

小児患者における人工呼吸中の鎮静法としては、ミダゾラムとオピオイドの併用、さらにデクスメデトミジン、ケタミンなどの補助的使用が現在のスタンダードであるが、ミダゾラムやデクスメデトミジンにはそれぞれ安全上の懸念事項が存在する。
フランスAP-HP Paris Saclay UniversityのMiatelloら(IsoCOMFORT)は、ヨーロッパ4ヵ国の小児集中治療室において、重症かつ12時間以上の侵襲的呼吸管理・鎮静を必要とする3〜17歳の小児患者を、イソフルランによる吸入鎮静、またはミダゾラムによる静注鎮静へと2:1の割合で割り付け、適切な深度で鎮静された時間割合を比較する第3相非劣性RCTを実施した(n=96)。
適切な鎮静深度は、浅鎮静から深鎮静までの深度(COMFORT-Bスケールに基づき)から、ベースライン時点で主治医が決定した。

結論

完全解析セットには92名が含まれ、38%が女児、年齢は平均7.7歳であった。
COMFORT-Bスケールが目標範囲内であった時間の割合(最小二乗平均)は、イソフルラン群で68.94%、ミダゾラム群で62.37%であり、群間差の95%信頼区間下限(-8.99%)は事前に指定された非劣性マージン(-15.00%)を上回った。
イソフルラン群の31%、ミダゾラム群の24%で重篤有害事象が発生したが、いずれも試験治療とは関連しないと考えられた。治療関連の重症低血圧が各群1名ずつに認められ、イソフルラン群では3名が有害事象により治療を中止した。治療関連死は報告されなかった。

評価

成人ICU患者を対象とした吸入鎮静の検証はいくつかあり、SED001ではプロポフォールへの非劣性が示されている(https://doi.org/10.1016/S2213-2600(21)00323-4)。このIsoCOMFORT試験(SED002)は、小児ICU患者でもイソフルラン鎮静が安全なオルタナティブとなりうることを示唆した。
セボフルランについては最近ARDS患者を対象としたSESAR試験が失敗しており(https://doi.org/10.1001/jama.2025.3169)、クラスエフェクトではない可能性がある。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)