救急の非外傷性腹痛ケアを標準化する
Management of non-traumatic abdominal pain in the emergency department: a multicentre, stepped-wedge, cluster-randomised trial
背景
非外傷性腹痛は救急外来で一般的な主訴である。良性から致死的なものまで原因疾患は多岐にわたり、それゆえ診断はしばしばチャレンジングなものとなるが、管理に関する臨床ガイドラインは存在しない。
ドイツCharité - Universitätsmedizin BerlinのSlagmanらは、同国10施設の救急外来において、2施設ごと4ヵ月間隔で、標準化されたデジタル支援型ケア・パスウェイ(腹痛ユニット [APU] ケア)を導入するステップウェッジ方式のクラスターRCTを行い、APUケアの導入が非外傷性腹痛を呈する成人患者の外来治療時間と患者報告アウトカムに与える影響を評価した。
結論
24ヵ月の試験期間中に2,119名の患者が登録され、うち1,017名はAPU導入前の対照群、1,102名は導入後の介入群であった。
救急外来での治療時間(未調整平均)は、対照群で5.2時間、介入群4.3時間と有意な減少とはならかった。
ただし、急性疼痛スコア(NRS)の平均は、対照群4.3ポイント、介入群3.6ポイントで有意に低下、患者満足度スコアも介入群で改善した(26.7 vs. 27.9, 調整済み平均差1.54)。
重篤有害事象は両群同等であったが、30日死亡率は対照群2.3%、介入群0.8%と、介入群で低かった。
評価
APUプロセスの詳細は別論文で説明されており、平たく言えば専門家パネルの議論によってデザインされた診断アルゴリズムと、これを実行するためのアプリからなる(https://doi.org/10.1007/s00063-021-00887-0)。
本試験はAPUプロセスの導入による疼痛スコアや患者満足度の改善を示し、さらに死亡率や再受診率と言った探索的アウトカムでも診療の効率化を示唆した。


