閉経後早期乳がんでの5年目以降のアロマターゼ阻害薬継続は再発を減らす:EBCTCGメタアナリシス
Extending the duration of endocrine treatment for early breast cancer: patient-level meta-analysis of 12 randomised trials of aromatase inhibitors in 22 031 postmenopausal women already treated with at least 5 years of endocrine therapy
背景
2015年にEarly Breast Cancer Trialists' Collaborative Group(EBCTCG)が発表したメタアナリシスによって、閉経後女性のエストロゲン受容体(ER)陽性早期乳がんに対する術後内分泌療法では、タモキシフェンよりも5年間のアロマターゼ阻害薬の方が有効であることが確立された。では、5年間のアロマターゼ阻害薬治療(AIT)で再発のみられなかった女性で、AITを延長するベネフィットはあるのか。
EBCTCGは、5年間の内分泌療法を受けたER陽性閉経後早期乳がん女性に対し、AITの延長、または追加の術後補助療法なしを割り付けたすべてのRCT12件(n=22,031)をレビューし、患者個別データを用いたメタアナリシスを実施した。
結論
AIT群への割り付けは、追加治療なし群と比較して再発率を27%低下させた(発生率比 0.77)。先行する5年間の内分泌療法が5年間のタモキシフェン単独治療であった試験では低下の割合が大きく、5年間のAIT延長を検証した試験でも、2〜3年のAIT延長を検証した試験よりも再発率が低下した。
5年間のAIT後にさらに5年間のAIT延長を割り付けられた患者では、再発(発生率比 0.71)、遠隔再発(0.73)が減少し、乳がん死亡も非有意ながら減少傾向を示した(0.90)。
5年間のAIT延長への割り付けは、骨折リスクを増加させた(1.35)。また、割り付け治療の非遵守率は高かった(プラセボ対照試験ではAIT延長群39.0% vs. プラセボ群37.6%)。
評価
3割以上が割り付け治療を遵守していなかったにもかかわらず、5年のAIT延長によって閉経後女性の再発・遠隔再発は1/4減少した。また、AIT延長により骨折リスクは上昇したが、心血管疾患による死亡リスクの上昇は認められなかった。
追加期間についてはリスクとのバランスによって選択の余地があるが、追加投与を推奨する現在のガイドラインと一致する結果である。


