安定冠動脈疾患を合併するAF患者へのリバーロキサバン単剤療法の年齢層別効果:AFIRE事後解析
Age-Stratified Effect of Rivaroxaban Monotherapy for Atrial Fibrillation in Stable Coronary Artery Disease: A Post Hoc Analysis of the AFIRE Randomized Clinical Trial

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
JAMA Cardiology
年月
August 2025
Online first
開始ページ
Online first

背景

心房細動(AF)と安定冠動脈疾患(CAD)を合併する高齢患者の抗血栓療法において、リバーロキサバンと抗血小板薬との併用が一般的であるが、併用療法は出血リスクを高めるため、リバーロキサバン単剤療法の有効性と安全性を検証することが求められていた。
日本Tokyo Women’s Medical University(東京女子医科大学)のYamaguchiらは、AFと安定CADを合併する日本人患者2,215名を対象としたAFIRE試験の事後解析を行った。参加者は年齢別(70歳未満、70〜74歳、75〜79歳、80歳以上)に4群に層別化し、リバーロキサバン単剤療法とリバーロキサバン+抗血小板薬併用を比較した。
一次有効性アウトカムは、主要心血管イベント(脳卒中・全身性塞栓症・心筋梗塞・血行再建を要する不安定狭心症・全死因死亡の複合)で、一次安全性アウトカムは大出血であった。

結論

リバーロキサバン単剤療法 vs. 併用療法の一次有効性アウトカムの患者年あたり発生率は、70歳未満3.2% vs. 4.3%(ハザード比[HR]0.74)、70〜74歳3.2% vs. 2.8%(1.16)、75〜79歳3.8% vs. 5.3%(0.72)、80歳以上6.2% vs. 10.3%(0.61)であった(交互作用のP=0.51)。一次安全性アウトカムの発生率は、0.5% vs. 2.3%(HR 0.23)、2.2% vs. 2.4%(0.91)、1.1% vs. 2.1%(0.52)、2.9% vs. 4.3%(0.67)であった(交互作用のP=0.33)。
リバーロキサバン単剤療法は、年齢を問わず、主要心血管イベントと大出血リスクを低減することが示された。年齢層別の傾向として、主要心血管イベントの抑制効果は高齢患者(80歳以上)でより顕著であり、大出血リスク低減効果は若年患者(70歳未満)でより顕著であった。

評価

2015〜2018年に日本で実施されたAFIREの事後解析で、AFと安定CADを合併する患者に対するリバーロキサバン単剤療法が幅広い年齢層で一貫した臨床的利益をもたらすことを示した。特に、従来の併用療法が出血リスクを高めるという課題に対し、単剤療法が幅広い年齢層で一貫した臨床的便益をもたらすことを示したことは、実臨床における治療戦略に大きな示唆を与える。今回の結果はまた、高齢者においては血栓イベント予防効果が、若年者においては出血リスク軽減効果がより際立つ可能性を示唆している。この結果は仮説生成的で、さらなる検証が必要だが、リバーロキサバン単剤療法が、出血リスクの高い患者や高齢患者にとって、より安全で効果的な選択肢となる可能性を提示している。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)