マグネシウムはシスプラチン関連腎障害を予防するか
Intravenous Magnesium and Cisplatin-Associated Acute Kidney Injury
背景
シスプラチンの重大な副作用の一つに腎障害があり、投与継続が困難になることも少なくない。シスプラチン投与では低マグネシウム血症が高頻度で発現し、これが尿細管でのシスプラチン再取り込みを促進し、排出を抑制することで腎障害を悪化させると考えられている。このため、近年はマグネシウム補充による腎障害の予防が注目されている。
アメリカBrigham and Women's HospitalのGuptaらは、同国の大規模がんセンター5施設で、2006年から2022年にシスプラチン静注を受けた成人がん患者を対象に、シスプラチン治療初日におけるマグネシウム静注処方とシスプラチン関連急性腎障害(CP-AKI)との関連を評価する多施設共同研究を実施した(n=13,719)。
結論
28.4%にあたる3,893名が、シスプラチン化学療法の初日にマグネシウム静注を受けており、これらの患者における投与量は中央値2 gであった。
CP-AKI・死亡の発生率はマグネシウム投与群で2.7%、非投与で5.3%であった(オッズ比 0.80)。感度分析および二次アウトカムにおいても結果は一貫していた。
評価
大規模なコホート研究により、マグネシウム投与がCP-AKI予防に有益な可能性を示唆した。
ランダム化試験による確証は必要であるが、既に実施している施設も多い予防戦略に一定の支持を与えるデータと言える。


