能動的な選択は大腸がん検診の受診率を高めない
Population Health Colorectal Cancer Screening Strategies in Adults Aged 45 to 49 Years: A Randomized Clinical Trial

カテゴリー
がん、Top Journal
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
August 2025
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開始ページ
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背景

アメリカ予防医学作業部会(USPSTF)は2021年、更新された大腸がんガイドラインにおいて、大腸がんリスクが平均の個人に対して(これまでの50〜75歳に加えて)45歳からの大腸がん検診を推奨した。この拡大された年齢集団に対する最良のアウトリーチ・プログラムは何か?
アメリカUniversity of California, Los AngelesのGaloosianらは、大規模な医療システム(UCLA Health)において、大腸がんの平均リスクを有する45〜49歳のプライマリケア患者(n=20,509)を対象に、4種類のアウトリーチ戦略を1:1:1:1で割り付け、6ヵ月以内の検診受診率を比較するRCTを実施した。
比較されたアウトリーチ戦略は、1)受ける/受けないのどちらかを必ず選択する能動的選択方式による免疫法便潜血検査(FIT)、2)能動的選択による大腸内視鏡、3)二つの検診法が提示される能動的選択によるFIT/大腸内視鏡、4)通常のキット郵送によるFITアウトリーチ、であった。

結論

参加者の18.6%にあたる3,816名が検診を受けた。
受診率は第1群で16.4%、第2群で14.5%、第3群で17.4%、第4群で26.2%と、能動的選択を必要とする3つの群では受診率が有意に低かった。
ただし、二つの検診法から選択が可能であった第3群では、第1・第2群よりも検診完了率が高かった(17.4% vs. 15.4%)。また第3群では、FITよりも大腸内視鏡検査が多く選択され(12.0% vs. 5.6%)、FITのみが選択可能な第1・第4群では大腸内視鏡検査へのクロスオーバーが多く認められた(各9.8%; 第2群でのFITへのクロスオーバーは2.7%)。

評価

能動的選択のプロセスはかえって検診から人々を遠ざけること、複数の選択肢を持つ能動的選択では単一選択肢よりも受診率が高くなることを明らかにした。
検診のアウトリーチに選択デザインに関する行動経済学的洞察を取り入れようとした検証であったが、意思決定の機会を持たせないデフォルト的方法がもっとも高い受診率につながることを示唆している。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)