救急外来でC型肝炎ウイルスのスクリーニングを行う:DETECT HCV試験
Hepatitis C Screening in Emergency Departments: The DETECT Hep C Randomized Clinical Trial
背景
C型肝炎ウイルス(HCV)の潜在感染者数は日本でも100万人を超えると推定されており、その特定は大きな公衆衛生課題である。救急外来は、他の医療機関には現れない患者の唯一の受診機会であることがしばしばあり、救急受診をスクリーニングの機会として利用するアプローチが注目されている。
アメリカDenver HealthのHaukoosら(DETECT HCV)は、同国3ヵ所の都市部救急外来を受診した成人患者を、ルーチンケアの一部としてリスクにかかわらず、HCV検査を行う非標的スクリーニング群、または受付時のリスク評価に基づきHCV検査を行う標的スクリーニング群へと割り付け、HCV感染の新規検出率を比較する多施設RCTを実施した(n=147,498)。
結論
患者の年齢は中央値41歳、51.5%が男性で、42.3%が黒人、20.9%がヒスパニック、32.2%が白人であった。
非標的スクリーニング群では13.4%がHCVスクリーニングを受け、154名がHCVと診断された。対して、標的スクリーニング群では31.8%がリスク因子を有する対象者とみなされ、6.3%がスクリーニングを受け、115名がHCVと診断された。非標的スクリーニングは、HCV感染症の新規診断の有意な増加につながった(相対リスク 1.34)。
HCV診断を受けたグループでは、フォローアップにつながった患者の割合、直接作用型抗ウイルス薬の開始、完了、12週時点でのウイルス学的奏効の持続などの群間差はわずかであった。
評価
救急外来での、リスク因子によらないユニバーサルなスクリーニングは、より多くのHCV感染者の同定につながった。ただ、本研究でHCV診断を受けた患者の多くが治療を継続できていないことは、アメリカ都市部救急における施設間連携や治療アクセスのギャップを浮き彫りにしている。
また、検査リソースの観点も検討されておらず、慎重な解釈が必要だろう。


