救急常駐薬剤師によるケア移行プログラムで薬剤有害事象による再受診を減らす
Emergency Department Visits for Medication-Related Events With vs Without Pharmacist Intervention: The URGEIM Randomized Clinical Trial
背景
救急外来では緊急性の高い診断・治療が優先され、薬剤有害事象が十分に特定・報告されていないとされる。救急医療チームへの臨床薬剤師の参与は、薬剤有害事象に関連したケアを改善できるか?
フランスUniversity of MontpellierのVillietらは、同大学病院の救急部門で来院時に薬剤投与関連イベント(Medication-related events; MREs)が検知された成人患者を対象に、薬剤師主導のケア移行プログラムまたは通常ケアを割り付け、6ヵ月以内の同一MRE関連の救急受診への影響を評価するRCTを実施した(n=330)。
薬剤師主導プログラム群では、救急の薬剤師による総合診療医(GP)・薬剤師への連絡と当該MREに関するレター送付が行われ、通常ケア群では薬歴聴取のみが行われた。
結論
患者の年齢は71歳(中央値)、自宅での服薬数は6種類(中央値)であった。
6ヵ月時点での同一MREによる救急外来受診数は、薬剤師主導プログラム群で5件(3.0%)、通常ケア群で36件(22.1%)と、薬剤師主導プログラム群で減少した。原因を問わない救急外来受診(21.0% vs. 35.0%)、同一MREによる入院(1.8% vs. 17.8%)も減少した。一方で、同一MREに関するGPへの受診(55.7% vs. 17.8%)、専門医への受診(42.4% vs. 24.0%)は増加した。
評価
薬剤師主導プログラムにより、同一MREによる救急の再受診は有意に減少し、患者の多くはGPや専門医への適切な受診行動を選択するようになった。
薬剤師によるケア移行支援の有用性を示すもので、日本で近年開始された専門薬剤師制度にも示唆を与えるだろう。


