PIK3CA変異進行乳がんでのInavolisibは全生存期間も延長:INAVO120試験
Overall Survival with Inavolisib in PIK3CA-Mutated Advanced Breast Cancer
背景
INAVO120試験は、世界28ヵ国で、PIK3CA変異を有し、HR陽性・HER2陰性の局所進行・転移乳がん患者(n=325)を登録し、パルボシクリブ+フルベストラントに加えて、inavolisibまたはプラセボを割り付け、無増悪生存期間を比較した第3相国際共同ランダム化比較試験であり、inavolisib群での無増悪生存期間の延長(ハザード比 0.43)を報告している(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2404625)。
アメリカMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのJhaveriらは、同試験の全生存期間に関する最終解析結果を報告した。
結論
全生存期間の中央値は、inavolisib群で34.0ヵ月、プラセボ群で27.0ヵ月であった(ハザード比 0.67)。
客観的奏効率は、inavolisib群62.7%、プラセボ群28.0%であった。有害事象による投与中止は、inavolisib群の6.8%、プラセボ群の0.6%に発生した。
評価
PI3Kα選択的阻害薬inavolisibの追加は、PFSだけでなく、全生存期間を延長した。
PIK3CA変異はHR陽性乳がんの4割前後でみられるもので、これらの患者に重要な選択肢をもたらす。日本でも臨床試験が開始されている。