週1回固定用量エフシトラはグラルギンに非劣性：QWINT-1
Weekly Fixed-Dose Insulin Efsitora in Type 2 Diabetes without Previous Insulin Therapy
背景
これまでの基礎インスリン療法は空腹時血糖値に応じた頻繁な投与量調整を要した。
アメリカVelocity Clinical ResearchのRosenstockら（QWINT-1）は、インスリン治療歴のない2型糖尿病（T2DM）患者795名を対象に、週1回固定用量のインスリンエフシトラアルファ（エフシトラ）の有効性を、1日1回グラルギンU100と比較する52週間の非盲検第3相RCTを行った。エフシトラは週100単位から開始し、目標血糖値達成のため4週間ごとに固定用量で調整した。
一次エンドポイントは、52週時点のHbA1c値の変化であった。
結論
一次エンドポイントは、エフシトラ群で1.19%pt減少し、グラルギン群の1.16%pt減少に対し非劣性を示した。優越性はなかった。臨床的に有意な低血糖発現率はエフシトラ群でグラルギン群より低く（0.50 vs. 0.88件／人年）、週当たりインスリン投与量も少なく（289.1 vs. 332.8単位／週）、用量調整回数も少なかった（中央値2回 vs. 8回）。
評価
Eli LillyがスポンサーするQWINT試験の一つで、本試験とQWINT-2（https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39254740/）の結果から、エフシトラは固定用量・可変用量レジメンともに、血糖降下作用と低い低血糖発現率を示すことが明らかになった。目標血糖達成までの期間は、QWINT-1がわずかに長かったが、著者等は、これは初回投与量設定と用量調整アルゴリズムの違いに起因するものとしている。血糖値変化の差はわずかであり、エフシトラ固定用量の利便性と簡便性は、多くの患者にとって有用な選択肢となる。
