PAV+モードでサポートしても人工呼吸期間はPSVと変わらず:PROMIZING試験
Proportional-Assist Ventilation for Minimizing the Duration of Mechanical Ventilation
背景
鎮静化での人工呼吸管理では、呼吸筋が急速に脱調節されることがわかっており、人工呼吸器離脱の長期化リスクとなる。部分的補助換気はこのリスクを軽減すると考えられているが、どの自発呼吸モードが望ましいかには議論がある。
カナダUniversity of Western OntarioのBosmaら(PROMIZING)は、世界7ヵ国23施設で、24時間以上の人工呼吸管理を受けており、30分間の圧支持換気(PSV)は可能だが、離脱には不十分な患者を対象に、Proportional Assist Ventilation Plus(PAV+)、またはPSVによる換気を割り付け、離脱成功までの時間について比較するRCTを実施した。
結論
722名が登録され、573名がランダム化を受けた。登録後にランダム化から除外された患者の主な理由は、自発呼吸トライアルの成功であった。
離脱成功までの期間は、PAV+群で中央値7.3日、PSV群で6.8日であり、有意な差は認められなかった。二次アウトカムである人工呼吸器不要日数(中央値)、再挿管・気管切開率、90日死亡率(PAV+群29.6% vs. PSV群26.6%)も両群で同程度であった。
評価
PAV+は患者の呼吸仕事量を推算しつつ、吸気努力に応じたサポートを行い、非同調性を改善するモードである。
これまでのメタ解析ではPAV+を使用した補助換気により、人工呼吸期間・ICU滞在時間の短縮などが示唆されていたが、本試験はPSVとの差を示さなかった。