プロバイオティクスは上気道感染症小児の発熱期間を短縮:PROBIOS2021試験
Probiotics and Fever Duration in Children With Upper Respiratory Tract Infections: A Randomized Clinical Trial
背景
上気道感染症(URTI)は乳幼児期では一般的だが、URTIによる発熱期間を短縮する治療法は確立されていない。近年、呼吸器疾患に対して注目されているプロバイオティクスは、小児URTIの発熱に有効だろうか。
イタリアIRCCS Ca' Granda Ospedale Maggiore PoliclinicoのBettocchiらは、38.5 °C以上の発熱を呈する日齢28日から4歳までのURTI患者を、14日間1日1回のプロバイオティクス混合製剤、またはプラセボの投与へと割り付け、発熱期間への影響を評価する単施設RCTを実施した(n=128)。
プロバイオティクス混合製剤は、ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V、ビフィドバクテリウム・ラクティスHN019、ラクトバチルス・ラムノサスHN001を含有した。
結論
発熱開始から終了までの期間(中央値)は、プロバイオティクス群で3日、プラセボ群で5日と、プロバイオティクス群で有意に短縮した(調整済みリスク比 0.64)。
軽度の有害事象はわずかで、便秘(16% vs. 12%)・腹痛(8% vs. 4%)など群間差は認められなかった。
評価
プロバイオティクスの投与は、安全性の懸念なしに、URTI小児の発熱期間を約2日短縮した。
比較的規模の小さい単施設研究であり、この結果をそのまま結論とみなすことはできないが、有望な補助療法として検証が活発化するだろう。