ナトリウム摂取源の文化的な違いを理解する
Racial and Ethnic Differences in Sodium Sources and Sodium Reduction Behaviors Among US Adults: NHANES 2017 to 2020 Prepandemic
背景
アメリカではほぼ全成人のナトリウム摂取量が推奨値を超えており、心血管リスクが高い。ナトリウム摂取量の低減には、人種・民族間のナトリウム摂取源や摂取行動の違いを理解する必要がある。
アメリカHarvard T.H. Chan School of Public HealthのChengらは、2017〜2020年の全米栄養調査NHANESデータを用い、ナトリウム摂取源と関連行動における人種・民族差を評価した。
結論
ピザ・スープ・鶏肉が、人種・民族を問わず主要なナトリウム摂取源であった。アジア系アメリカ人では上位10の摂取源うち、4つ(醤油ベースの調味料・魚・チャーハン/和え麺・醤油ベースの調味料を使用した炒め物)がナトリウム摂取量の14%以上を占め、調理中の塩使用頻度が最も高いが、食卓では塩を使わないと回答した。黒人成人は減塩、医師からの減塩アドバイスを受けた割合が最も高かった。
米に塩を加えないと仮定すると、アジア系アメリカ人のナトリウム摂取量は約325mg/日減少すると推定される。
評価
アメリカのような国では、減塩の推奨で人種・文化差を考慮しなければならない。これまでの研究は、米が塩を加えて調理されていることを前提としており、アジア系アメリカ人の成人と子供のナトリウム摂取量は、全人種・民族グループ中で最も高いとされていた。すべてのアジア人が米に塩を加えて調理するわけではないため、この仮定を変更する二次分析が実施された。米に塩を加えない場合、アジア系アメリカ人のナトリウム摂取量は全人種・民族グループ中で最も低い水準になる。