DASH食+減塩で、高血圧併存2型糖尿病患者の血圧がわずかに低下:DASH4D
Dietary Patterns, Sodium Reduction, and Blood Pressure in Type 2 Diabetes: The DASH4D Randomized Clinical Trial
背景
高血圧併存2型糖尿病(T2DM)患者はCVDリスクが高いが、体重減少以外の食事介入の有効性は。
アメリカJohns Hopkins UniversityのAppelら(DASH4D)は、SBP120〜159 mmHg、DBP100 mmHg未満のT2DM患者102名を、4パターンの食事(低ナトリウムDASH4D食・高ナトリウムDASH4D食・低ナトリウム対照食・高ナトリウム対照食)に割り付けるRCTを行った。
一次アウトカムは、各摂食期間の最後の2週間に5日間に分けて3回測定された期間終了時のSBPとDBPであった。体重は一定に保たれ、参加者の90%以上が降圧薬による治療を受けていた。
結論
高ナトリウム比較食と比べ、低ナトリウムDASH4D食はSBPを4.6 mmHg、DBPを2.3 mmHg低下させた。この血圧低下は食事療法開始後3週間で大半が達成された。有害事象は各食事療法で稀であった。
評価
オリジナルDASH食は、果物・野菜・低脂肪乳製品が豊富で、飽和脂肪酸とコレステロールが少ない。DM患者向けに開発されたDASH4D食は、1日あたりのカリウム摂取量を400mg削減しており、炭水化物が少なく、不飽和脂肪が多い。Johns HopkinsのDASH研究は、1997年のオリジナル(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJM199704173361601)以後、DASH-Sodium(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJM200101043440101)が、高血圧・非高血圧参加者を対象にDASH食+減塩の影響を検討しているが、今回のDASH4Dでは、減塩による血圧降下幅がより小さい。著者らは、DASH4D参加者の約3分の1が利尿薬治療を受けていたことがその原因であろう、としている。