肥満と大動脈弁狭窄症との間に遺伝子的因果関係?
Obesity as a Causal Risk Factor for Aortic Valve Stenosis
背景
大動脈弁狭窄症と肥満とに遺伝子的関連がある、という研究が発表された。デンマーク Copenhagen UniversityのNordestgaardらによるもので、Copenhagen General Population Study(n=10,821)よりBMI・ウエスト-ヒップ比・ウエスト周囲・遺伝子4バリアント情報を抽出し、大動脈弁狭窄症(n=1,215)と置換術(n=467)との関連を解析した。
結論
遺伝子要因に関連するBMI増は、大動脈弁狭窄症・置換術と関連した(大動脈弁狭窄 HR:1.52、置換術 HR:1.49[1kg/m2増加毎])。アレルスコア0〜3と比較し、スコア7〜8では平均0.87kg/m2のBMI増加がみられた。大動脈弁狭窄症の調整HRは、スコア4で1.3、スコア5〜6では1.4、スコア7〜10では1.6であった。
評価
大動脈弁狭窄症と肥満との間に遺伝子的背景のある因果関係があるのではないか、という初めての仮説生成的研究である。JACC Editorialは、ここでのメンデルランダム化解析が因果性を示すのに不十分であることを強調しつつ、アレルスコアリング法が強力なものであることを認めている。