PCTなしで発熱新生児の侵襲性細菌感染症の除外が可能なルールは?
Performance of clinical decision aids (CDA) for the care of young febrile infants: a multicentre prospective cohort study conducted in the UK and Ireland
背景
発熱を伴う新生児・乳児では、1〜4%が細菌性髄膜炎・菌血症(侵襲性細菌感染症; IBI)と診断される。かつては画一的治療アプローチがとられていたが、近年ではIBIリスクの層別化のため、複数の臨床意思決定支援スコアが登場している。
イギリスQueen's University BelfastのUmanaらは、イギリス・アイルランドの35の小児救急外来・アセスメント室が参加した前向コホート研究、FIDO Studyを実施し、発熱した日齢90日以内の乳児(n=1,821)を対象に、臨床意思決定支援ツール(CDA)を検証した。
検証されたCDAは、NICEガイドラインNG143、British Society Antimicrobial Chemotherapy(BSAC)、Aronsonルール、American Academy of Pediatrics(AAP)の4種で、プロカルシトニン(PCT)検査を必須とするStepByStepとPECARNは含まれなかった。
結論
解析に含まれた患児の日齢は中央値46日、61%が男児であった。3.7%にあたる67名がIBIと診断された(62名が菌血症, 9名が細菌性髄膜炎)。
AAPとBSACは感度がともに0.99と最も高い一方、特異度はそれぞれ0.23、0.20であった。特異度が高かったのはNICE NG143とAronsonルールで、それぞれ0.27、0.30であったが、感度は各0.93、0.90と低かった。AAPルールは、バイオマーカーとしてPCTとCRPのどちらを選択しても同等のパフォーマンスを示した。
CDAを用いたアプローチは、どのCDAを選択した場合でも画一的治療アプローチと比較してコスト削減に寄与したが、特に平均費用が低かったのはAronsonルール(£1171)とNICE NG143(£1218)であった。
評価
AAPとBSACは感度が高く、特異度の高いAronsonルールとNICE NG143は費用対効果に優れた。
AAPルールのPCT検査をCRPに代えてもパフォーマンスに差がなかったことも示されており、PCTが利用できない環境における発熱乳児の管理に役立つ知見であろう。


