脳出血急性期での強化降圧療法は虚血病変リスクではない
Acute Blood Pressure Lowering and Risk of Ischemic Lesions on MRI After Intracerebral Hemorrhage
背景
脳出血急性期における血圧高値は、早期に降圧(収縮期血圧140 mmHg未満)することが推奨されている。一方、脳出血の急性期・亜急性期では、虚血性損傷を示唆する拡散強調画像(DWI)病変が認められることがわかっており、強化降圧療法が虚血を誘発・悪化させるという重要な懸念が存在した。
オーストラリアUniversity of New South WalesのButcherら(ICHADAPT-2)は、発症6時間以内の脳出血患者を、収縮期血圧140 mmHg未満または180 mmHg未満の目標値へと割り付け、48時間後のMRI検査で検出されたDWI病変の頻度を比較する第2相RCTを実施した(n=162)。
結論
DWI検査が実施されたのは79名で、発症から撮影までの時間は中央値51.6時間であった。ランダム化後48時間の時点での平均収縮期血圧は、140 mmHg群で低かった(平均差18.9 mmHg)。
DWI病変は、140 mmHg群で42名中13名(31%)、180 mmHg群では37名中14名(38%)に認められた(オッズ比 0.74)。DWI病変数の中央値、DWI病変の総体積にも有意な差は認められなかった。
評価
推奨されている140 mmHg未満への降圧が、DWI病変を増加させないことをRCTによって明らかにした。
サンプルサイズの小ささ、MRI検査の選択バイアスといった限界はあるものの、強化降圧療法の安全性を支持するデータである。


