AI問診アプリによる推奨は医師よりも高品質か
Comparison of Initial Artificial Intelligence (AI) and Final Physician Recommendations in AI-Assisted Virtual Urgent Care Visits

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Annals of Internal Medicine
年月
April 2025
178
開始ページ
498

背景

近年の人工知能(AI)の進歩はめざましく、診療プロセスへと統合され、医師による意思決定をサポートするというシナリオも現実味を帯びてきている。
イスラエルTel Aviv UniversityのZeltzerらは、2024年6月から7月に発生した、呼吸器・泌尿器・膣・眼科・歯科症状による成人受診のうち、AI支援バーチャル緊急診療(urgent care)システム、Cedars-Sinai Connectが十分な確信を持って推奨を行った症例(n=461)について、AIの当初の推奨と医師の最終的な推奨の一致を検討する後向コホート研究を実施した。
Cedars-Sinai Connectは、2023年にローンチされたバーチャル医療アプリであり、構造化されたAIチャットによる問診、その後、医師とのオンライン診療が選択された場合にはチャット中に収集された情報が医師に提示され、さらに十分な確信が得られる場合には診療上の推奨を行う、といった機能を中心としている。

結論

AIの当初の推奨と医師の最終的な推奨が一致したのは56.8%であった。
AIの推奨は、4段階評価で最善と評価される割合が医師よりも高かった(77.1% vs. 67.1%)。推奨の評価は67.9%の症例で同等であり、20.8%ではAI、11.3%では医師の方が優った。

評価

緊急診療(urgent care)セッティングでのAI問診の可能性を検討した研究で、多くの症例でAIは医師と一致し、不一致の場合でも医師よりも高い評価を得る症例が多かった。
AIと医師の推奨にはそれぞれ異なる強みがあり、両者の相補的協働は人手不足やバーンアウト問題を軽減する一助となりうるだろう。

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大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)