肥大型心筋症診断AIアルゴリズムViz HCMをアップグレード
Calibration of ECG-Based Deep-Learning Algorithm Scores for Patients Flagged as High Risk for Hypertrophic Cardiomyopathy
背景
VizHCMは、肥大型心筋症(HCM)診断に特化したFDA承認済みディープラーニング(DL)アルゴリズムだが、未だ較正が不十分である。
アメリカMount Sinai Fuster Heart HospitalのLampertらは、VizHCMの較正詳細化の試行と検証を行った。2023年3月〜2024年1月にECG検査を受けた約71,000名の患者に同アルゴリズムを適用し、1,522名を肥大型心筋症(HCM)と判定した。心臓専門医が医療記録と画像を手作業で確認し、HCM陽性/陰性に分類した。モデル出力をロジスティック回帰を用いて較正した。較正確率と推定陽性予測値(PPV)を比較した。
結論
初期スクリーニングで高リスクとされたHCM患者のPPVは10.9%であった。再較正モデルスコアでは、PPVは各80%・70%と大幅に改善した。フラグ付けを較正スコアに置き換えることにより、疾患診断確率を改善できる。
評価
同アルゴリズムを販売するViz.ai.社が資金提供した、プログラムの改善研究である。71,000のECGをベースにした医師の手作業との協働により、「高リスク」といったフラグ表示を「確率60%」といった表示にアップグレードすることを可能にした。同プログラムは従来型の深層学習ベースだが、LLMとの融合により、総体的診断から患者カウンセリングにまで関わりうるハイブリッドモデルに向かう可能性がある。