中等〜重度貧血のAF患者への経口抗凝固薬療法は有害無益
Oral anticoagulation among atrial fibrillation patients with anaemia: an observational cohort study
背景
貧血の心房細動(AF)患者への経口抗凝固薬療法は有益か。 デンマークCopenhagen UniversityのBondeらは、同国データベースでHb記録のある18,734名のAF患者を対象としてこの問題を検討した。AF患者の貧血と脳卒中/血栓塞栓症(TE)リスクおよび出血との関連を評価した。
結論
中等〜重度の貧血(Hb<6.83 mmol/L)は、出血リスク増および9.1%のTTR中央値短縮と関連した。OACの使用は貧血のない患者で脳卒中/TEリスクを低減し、軽度貧血患者(女性で6.83〜7.45 mmol/L、男性で6.83〜8.03 mmol/L)でもリスクは低減したが、中等〜重度の貧血患者ではこの効果はなかった。
評価
重要な臨床問題に、大規模調査で高信頼度の解答を出した。同じ問いを立てた台湾の8,300例調査では、Hb<10 g/dLの患者ではNOACはワルファリンより出血リスクが少ない」としている(https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/JAHA.119.012029)。.