3枝病変でFFRガイド下PCIはCABGとほぼ同等:FAME3が最終報告
Outcomes after fractional flow reserve-guided percutaneous coronary intervention versus coronary artery bypass grafting (FAME 3): 5-year follow-up of a multicentre, open-label, randomised trial
背景
PCIまたはCABG後の長期成績は、技術の向上と薬物療法の改善により変化している可能性がある。
アメリカStanford UniversityのFearonらは、左主幹動脈病変のない3枝冠動脈疾患患者1500名を対象にFFRガイド下PCI(最新世代ゾタロリムス溶出ステント)とCABGを比較したFAME 3試験の最終解析を行い、5年後の有効性を再評価した。
一次アウトカムは5年後の死亡・脳卒中・心筋梗塞の複合である。1年時点では、PCIはCABGに対し非劣性基準を満たさなかった。本報告は最終報告である。
結論
一次アウトカムに有意差はなかった[PCI群16% vs. CABG群14%。死亡・脳卒中にも差はなかったが、心筋梗塞リスクはPCI群で高く(HR 1.57)、再血行再建術リスクもPCI群で有意に高かった(2.02)]。
評価
FAME 3は、この主題に関する決定的な医師主導試験で、1年後アウトカム(全死因死亡・心筋梗塞・脳卒中・再血行再建術の複合)では、PCIはCABGに対する非劣性を示さず、3年後には、事前規定副次評価項目である死亡・脳卒中・心筋梗塞について両群で同等であったが、CABG優位傾向は主勢であった。
この5年最終報告は、FFRガイダンスと最新の薬物療法を組み合わせた現代のDESが、CABGに対するギャップをさらに縮めた可能性を示すもので、ガイドラインにどう反映されるかが注目される。