自然言語処理AIで電子カルテ内の高血圧兆候を検出:NOTIFY-LVH
Leveraging Preexisting Cardiovascular Data to Improve the Detection and Treatment of Hypertension: The NOTIFY-LVH Randomized Clinical Trial
背景
電子カルテデータをAIにより自然言語処理して高血圧の兆候を検出する臨床サポートは、降圧治療を改善するか。
アメリカMassachusetts General HospitalのWasfyら(NOTIFY-LVH)は、心エコーで左室肥大(LVH)所見があり、降圧薬未治療の患者648名を介入群と無介入対照群に割り付け、12ヵ月間追跡するプラグマティックRCTを行った。
一次アウトカムは、降圧薬の開始であった。ベースラインで高血圧と診断された患者は15.7%で、外来血圧130/80mmHg超は20.1%であった。
結論
AI介入の一次アウトカム効果を認めた[12ヵ月間で降圧薬を処方された患者は、介入群16.3%、対照群5.0%で、介入群で有意に高かった(調整 OR 3.76)]。高血圧と診断される可能性も介入群で有意に高かった(調整 OR 4.43)。心筋症の診断には群間差はなかった。
評価
介入群の医師にはコーディネーターにより、患者の検査結果と追加ケアのリソース(24時間携帯型自動血圧モニタリングや心臓専門医への紹介を含む臨床サポートパスウェイ)が提供され、臨床医からの反応も肯定的であった、という。自然言語処理はこの研究の開始時期からLLMの時代に急変しており、さらに高度なサポートの有益性に関するRCT結果がまもなく発表されることになろう(https://academic.oup.com/eurheartj/article/45/5/332/7505599)。