マルファン症候群の大動脈病変にイルベサルタン
Irbesartan in Marfan syndrome (AIMS): a double-blind, placebo-controlled randomised trial
背景
マルファン症候群患者の大動脈病変に対してβブロッカー等が試みられているが決め手がない。イギリスUniversity of East AngliaのFlatherら(AIMS)は、同症候群患者192名を対象としてイルベサルタンの効果を検証するRCTを行った(対照:プラセボ)。全患者に同薬75mgを投与後、150mgと対照薬に割り付けた。一次エンドポイントは大動脈起始部拡張である。
結論
中央値4年の追跡で、イルベサルタンの一次エンドポイント効果を認めた(0.53 vs. 0.74 mm、p=0.03)。大動脈Zスコアはイルベサルタン群で有意に減少した(差:−0.10/年)。
評価
ロサルタンの有効性報告があるが、イルベサルタンはTGF-β阻害作用も報告されており、このRCTは効果を確認した。現在の標準はβブロッカーだが、競合薬とも考えにくく、併用も探索されよう。


