地中海食と運動で高齢女性の骨粗鬆症を抑制:PREDIMED-Plus
Mediterranean Diet, Physical Activity, and Bone Health in Older Adults: A Secondary Analysis of a Randomized Clinical Trial
背景
PREDIMEDは、地中海食の健康有益性を確立したランドマーク試験であった。
同試験のスペインUniversitat Rovira i VirgiliのGarcia-Gavilanら(PREDIMED-Plus)は、メタボリックシンドローム、過体重または肥満の高齢者924名を、エネルギー制限下での地中海食と身体活動の介入を行う群と、地中海食指導のみを受けた上で自由摂取を行う群に割り付けるRCTを実施した。
一次アウトカムは、ベースライン・1年後・3年後の二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)による骨密度(BMD)と骨ミネラル含有量(BMC)の変化であった。
結論
介入群の腰椎(L1-L4)BMDは対照群と比較して全体的に増加傾向(P=0.05)を示した(1年後: −0.1 g/cm2、3年後: 0.9 g/cm2)。特に女性において有意な増加が認められた(3年後群間差1.8 g/cm2、P=0.005)が、男性では同様の関連はみられなかった。一方、総骨密度および低BMDの有病率に対する3年間の介入効果は、全体として有意ではなかった。
評価
この効果は、カルシウムやビタミンDサプリメント使用者を除外した解析でも確認された。近年の研究では、減量が骨量減少や骨折リスクを高める可能性も指摘されているが、本研究は、適切な地中海食と運動を組み合わせることで、高齢女性が体重減に伴う骨密度低下を抑制できる可能性を示した。

