TAVI施行患者にダパグリフロジンを:DapaTAVI
Dapagliflozin in Patients Undergoing Transcatheter Aortic-Valve Implantation
背景
SGLT2阻害薬は心不全入院リスクの高い患者に有効だが、TAVI施行患者を含む大半の弁膜症(VHD)患者はRCTから除外されている。
スペインHospital Alvaro CunqueiroのRaposeiras-Roubinら(DapaTAVI)は、TAVI施行予定で、心不全既往・腎不全・糖尿病・左室収縮機能障害のいずれかを有する大動脈弁狭窄症(AS)患者1,222名を対象に、ダパグリフロジンの有効性を標準治療と比較するオープンラベルRCTを実施した。
一次アウトカムは、1年後の全死因死亡または心不全悪化(入院または緊急受診)である。
結論
ダパグリフロジンの一次アウトカム効果を認めた[15.0% vs. 20.1%(HR 0.72)]。全死因死亡は、7.8% vs. 8.9%、心不全悪化は、9.4% vs. 14.4%であった(HR 0.63)。実薬群では、性器感染症と低血圧の頻度が有意に高かった。
評価
この主題に関する初めてのRCTで、オープンラベルながら有益性を示した。既報のSGLT2阻害薬試験(DapaHF・DELIVER・DECLARE-TIMI 58等)と比較して高齢患者の割合が高く、女性も約半数を占める。高齢TAVI患者におけるダパグリフロジンの臨床的有益性を示唆し、SGLT2阻害薬の更なる適応拡張を支持するエビデンスである。