自動インスリン投与のT2Dへの可用性を確認:2IQP
A Randomized Trial of Automated Insulin Delivery in Type 2 Diabetes

カテゴリー
生活習慣病、Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
March 2025
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開始ページ
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背景

自動インスリン投与(AID)は1型糖尿病(T1D)患者への有益性が実証されているが、2型糖尿病(T2D)患者に対する有効性と安全性は。
Mayo ClinicのKudvaら(2IQP)は、毎日複数回のインスリン注射またはインスリンポンプを使用している成人T2D患者319名を対象に、AIDの有効性と安全性を検証するRCTを行った(対照:試験前のインスリン投与法を継続)。両群とも持続グルコース モニタリング(CGM)を受けた。一次エンドポイントは、13週時のHbA1c値であった。

結論

AIDの一次エンドポイント優位を認めた[7.3%減少 vs. 7.7%減少]。
CGMデータが目標血糖値範囲(70〜180 mg/dL)内であった時間は、AID群で48%から64%に、対照群で51%から52%に増加した(AID群では目標血糖値範囲内時間が1日あたり3.4時間増加)。
CGMベースの高血糖は、AID群で大幅に改善し、低血糖頻度は、両群とも低かった。AID群の1名に重度の低血糖イベントが発生した。

評価

AIDのT2Dへの応用はすでに成功的に試行されており、RCTもあるが、この試験はその有益性を確認する決定的な大規模検証となった。参加者の約44%がGLP-1受容体作動薬を、37%がSGLT2阻害薬を、21%が両薬を服用していたが、AIDの効果は併用薬と関係がなかった、という。自動モード時間の中央値は93%で、高い遵守率と可用性が示唆される。なお、使用デバイスは、Control-IQ+とDexcom G6センサーを搭載したt:slim X2ポンプであった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)