アメリカの心臓移植、現在のメリットは44%
Association of Transplant Center With Survival Benefit Among Adults Undergoing Heart Transplant in the United States
背景
アメリカ心臓移植の現況は。University of ChicagoのParkerらは、 2006〜2015年のnational transplant registry登録29,199名に関する観察研究結果を発表している。一次アウトカムは、心臓移植のメリット(移植と5年待期との間の生存差)である。
結論
113センターでの待期患者中移植を受けたのは68%であり、その27%が死亡または再移植を受けた。非移植患者は60%が死亡した。5年生存率は移植患者で77%、非移植患者で33%、移植メリットは44%であった。移植メリットには施設間差があった(30%〜55%)。移植メリットが高い施設では待期期間が短かったが、多因子調整後の5年生存率では両者に有意差はなかった。全体的には、待期人数が10%減ると移植メリットが6.2%高まった。
評価
アメリカの従来のシステムでは移植患者選択の客観基準が少なく、移植センターの政策に強く左右されていた。2018年に導入された新しいシステムはこの点に留意されているが、多数の移植センター間の競争的独自判断、という性格は残りそうである。