切除可能な大腸がん肝転移で熱凝固療法が肝切除への非劣性示す:COLLISION試験
Thermal ablation versus surgical resection of small-size colorectal liver metastases (COLLISION): an international, randomised, controlled, phase 3 non-inferiority trial
背景
切除可能な大腸がん肝転移に対する標準治療は肝切除であり、熱凝固療法は完全切除不能例での選択肢とされるが、サイズの小さな肝転移では肝切除に匹敵する局所制御・生存率を得られる一方で、有害事象が少ないとするエビデンスも増加している。
オランダAmsterdam UMCのvan der Leiらは、オランダ・ベルギー・イタリアで、肝外転移がなく、3 cm以下で10個以下の大腸がん肝転移患者を、すべての標的転移に対する熱凝固療法または肝切除を割り付け、全生存期間についての非劣性を検証する第3相単盲検ランダム化非劣性試験、COLLISION試験を実施した。
結論
事前指定された中間解析(n=300)において、熱凝固療法群の全生存期間の非劣性(両群とも中央値未到達, ハザード比 1.05)、局所制御の非劣性(両群とも中央値未到達, 0.13)、安全性プロファイルの優越性についての基準を満たしたため、試験は中途終了した。
有害事象は熱凝固療法群の19%、肝切除群の46%に発生し、重篤有害事象はそれぞれ7%、20%に発生した。
評価
熱凝固療法は、生存期間・局所制御について肝切除に劣らず、さらに有害事象は有意に少なかった。
切除可能な大腸がん肝転移のうちでも、小型のものでは熱凝固療法がスタンダードとなるかもしれない。


