スマホをいじっている救急患者は低リスクなのか?
Airway, breathing, cellphone: a new vital sign?
背景
繁忙な救急において効率的なケアを提供する上では、患者ごとの治療の優先度、必要とされるケアの程度によるトリアージが必要不可欠である。トリアージにおいては患者の愁訴、バイタルサイン、病歴、身体検査などの因子が考慮されることが多いが、少し変わった因子に注目した研究が現れた。
アメリカMayo Clinic College of Medicine and ScienceのGarciaらは、2021年9月から2022年8月に同施設の救急外来を受診した患者を対象とした前向横断研究を行い、初回アセスメント時に能動的に携帯電話を使用している患者(n=32)と使用していない患者(n=259, いずれも医療書記による目視確認)の最終的な処遇(入院・退院)との関連を調査した。
結論
携帯電話を使用していなかった患者の退院率は64%、使用していた患者の退院率は94%であった(退院オッズ比 8.4)。
評価
医師を待つ間に携帯を使用していた患者では、最終的に入院を要しないケースが大半を占めた。
携帯の使用が身体症状の軽さと関連することは容易に想像可能だが、携帯を使用していたという事実が医師の処遇判断に影響を与えた可能性もある。面白い着眼点ではあるが、あくまで仮説生成的研究とみなされるべきである。


