急性脳梗塞でのNerinetide、有効な集団は存在するのか?:メタ解析
Safety and efficacy of nerinetide in patients with acute ischaemic stroke enrolled in the early window: a post-hoc meta-analysis of individual patient data from three randomised trials
背景
急性虚血性脳卒中(AIS)に対する神経保護薬nerinetideは、前臨床モデルでは有望な結果を示していたものの、ヒトAIS患者での検証では2020年のESCAPE-NA1試験に続き、後続のESCAPE-NEXT試験、病院前セッティングで行われたFRONTIER試験が相次いでネガティブ結果に終わっている(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(25)00194-1, https://doi.org/10.1016/S0140-6736(25)00193-X )。
カナダUniversity Health NetworkのTymianskiらは、動物実験で使用された基準におけるnerinetideの有効性を検証するため、前述の3件の臨床試験(n=2,487)の患者個別データをプールしたpost-hocメタアナリシスを実施した。
包含基準は、発症3時間以内で試験薬の投与が行われ、血栓溶解療法か血管内治療が行われたAIS患者であった。
結論
690名がこの解析の包含基準を満たした(nerinetide群で389名、プラセボ群で301名)。
各試験の基準による良好アウトカム率は、nerinetide群で56%、プラセボ群で48%と、nerinetide群で有意に増加した(調整済みオッズ比 1.48)。死亡率は各群16%、18%であった(0.81, 非有意)。
評価
ヒトでの臨床試験を行うにあたって拡大された基準によって、nerinetideの利点がかき消されてしまったのではないか、という疑念に答えようとしたメタ解析である。
発症3時間以内に投与を受け、再開通療法が行われた患者ではnerinetideのベネフィットが認められた。この知見は、別のPSD95阻害薬(NoNO-42)で行われる予定の第2相試験に反映されている(NCT06403267)。


