進行性NETでカボザンチニブが有効性示す:CABINET試験
Phase 3 Trial of Cabozantinib to Treat Advanced Neuroendocrine Tumors
背景
神経内分泌腫瘍(NET)の発症には血管新生が重要な役割を果たしており、血管内皮増殖因子(VEGF)・VEGF受容体の標的化が有効とみられている。
アメリカDana-Farber Cancer InstituteのChanらは、PRRT(ペプチド受容体核医学内用療法)または分子標的治療歴を有する膵外NET/膵内NET患者のコホートを、カボザンチニブまたはプラセボの投与へと2:1でランダムに割り付け、無増悪生存期間を比較する第3相CABINET試験を実施した。
結論
膵外NET患者(n=203)における無増悪生存期間の中央値は、カボザンチニブ群8.4ヵ月、プラセボ群3.9ヵ月であった(層別化ハザード比 0.38)。膵内NET患者(n=95)では、カボザンチニブ群13.8ヵ月、プラセボ群4.4ヵ月であった(0.23)。
カボザンチニブ群では膵外NETで5%、膵内NETでは19%に客観的奏効が認められた(プラセボ群では0%)。
グレード3以上の有害事象は、カボザンチニブ群の62-65%、プラセボ群の23-27%に認められた。
評価
大半がLu-177-Dotatateや分子標的薬による治療歴を有するNET患者において、カボザンチニブはプラセボを上回る治療効果を示した。
治療選択肢の限られた進行性NET患者に新しい選択肢がもたらされる。