健常者の老化で最初に起こる心機能変化は
Alteration of Cardiac Performance and Serum B-Type Natriuretic Peptide Level in Healthy Aging
背景
老化心筋の心不全リスクの予測因子は。日本University of Tokyo(東京大学)のYoshidaらは、481名の健常参加者(平均60歳)を対象として、Speckle-tracking法UCGによる心機能指標と血清BNPレベルを長期調査した。
結論
加齢に関連する心機能の最も早い変化は、5年でLAリザボア・導管ストレインに現れ、その後高E/e’が続いた。7年でLVGLS減少が開始したが、RVストレイン・LVEF・LVMIには有意差は現れなかった。多変量線形回帰分析では、年齢はLVGLSLAおよびファージックストレイン低下の独立予測因子であった。年齢とLAストレインは、心室の形態・機能と独立に高BNP値と有意に関連した(調整オッズ比:1.10)。
評価
心筋老化の最初期段階は組織学的には心筋線維化であるとされているが、機能老化はUCGでLAの変化が最も早く捉えられる、とした。長期的なMACEとの関連が興味深い。

