部分的心臓除神経はCABG後のPOAFリスクを軽減する:pCAD-POAF
Partial Cardiac Denervation to Prevent Postoperative Atrial Fibrillation After Coronary Artery Bypass Grafting: The pCAD-POAF Randomized Clinical Trial
背景
冠動脈バイパス移植術(CABG)では、約20%の患者に術後心房細動(POAF)が発生するが、部分的心臓除神経の併用で発生リスクを抑制できる、という仮説がある。
中国Fuwai HospitalのFengらは、CABG施行予定患者430名を介入群(CABGと部分的心臓除神経)と対照群(CABGのみ)に割り付け、これを検証するRCTを行った。一次アウトカムは、術後6日のPOAF発生率で、30秒を超えて持続する上室不整脈と定義した。
結論
一次アウトカムは、18.1% vs. 31.6%で介入群が有意に低かった(リスク比 0.5:感度分析でのHR 0.53)。安全性に群間差はみられず、術後医療費は介入群が低かった。
評価
POAFは成因も未確定で、予防法にもいくつかのアイディアがあるが、いずれも少数例で確認がとれていない。この研究は部分的心臓除神経に関する現在まで最大のRCTで、有力なオプションであることを示した。追跡期間の短さは弱点で、長期結果の確認と世界的追試が必要となった。