心房性心疾患のESUS患者での脳卒中予防に関するARCADIA結果に問題?:二次分析
Apixaban to Prevent Covert Infarcts After Cryptogenic Stroke in Patients With Atrial Cardiopathy: A Secondary Analysis of the ARCADIA Randomized Clinical Trial
背景
ARCADIA試験では、潜因性脳卒中(ESUS)および心房性心疾患の患者において、DOACによる抗凝固療法にアスピリンを上回る再発性脳卒中予防のベネフィットは認められなかったが(https://doi.org/10.1001/jama.2023.27188)、非ラクナ型のESUS予防に限定するとどうか。
アメリカStanford UniversityのLansbergら(ARCADIA-MRI)は、これを主題とするARCADIA二次分析を行った(174名、追跡期間中央値27ヵ月)。
一次アウトカムは、MRIでの非ラクナ型ESUS発症である。
結論
一次アウトカムは、アピキサバン群がアスピリン群よりも低かった(5.1% vs. 17.9%)。
二次エンドポイント(非ラクナ型ESUS and/or 非ラクナ型梗塞による脳卒中)でも、アピキサバンが優った(weighted RR 0.36)が、アピキサバンはラクナ型ESUSの減少とは関連しなかった。
評価
ARCADIA主要結果(再発性脳卒中リスクに対するアピキサバンとアスピリンのHR 1.00)とは対照的で、当惑させる結果である。ラクナ型と非ラクナ型で両薬の効果が全く違うという結果は、両病態の生成機構にも関連する可能性を示唆しており、確認・追試を要求する目を離せない仮説生成的研究となった。